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高村 薫 「冷血」

高村薫の新作「冷血」を読んだ。
高村薫は自らをミステリ作家だと思っていないし、またそう呼ばれるのが好きではないらしい。しかし、そんなものはただの一読者である私には関係ない。
少なくとも戦後にデビューしたミステリ作家の中でも群を抜いた存在であると思う。ひとりの作家が何を書くかはもちろん自由だし、それと同じぐらいに読者が作家をどう思って読むかも自由だ。
待望の「合田雄一郎」シリーズの最新作を堪能した。相変わらずの硬い文体もいい。何より今回は合田の出番が多かったのがうれしい。そう、私は「合田雄一郎」のファンなのだ。彼より好きな日本の刑事はいない。海外でもフィリップ・マーロウとマット・スカダーぐらいしか彼に並べて好きなキャラクターはいない。
高村薫がこの作品で描きたかったものの本質は、人間の奥深い性や狂気にいたる精神の崩壊や、取り巻く社会の病巣であろうと推察はできる。それがどんなもので、どれぐらい良く描かれていたかの評価はしないし、できない。
ただ、事件、犯人、刑事、謎解きなどのストーリーに囚われない、高村薫の作品はいつ読んでも「特別」な存在だ。あまたある「警察小説」とは一線もニ線も画した作品なのに、警察小説のように面白く読んでしまう。
「面白さ」にも色々ある。読書の楽しみをあらためて感じた力作。
今年のベスト・ミステリはすでに決まったようなものだが、果たしてどうでしょうか。

ちなみに、私が一番好きな高村作品は「照柿」です。この作品の合田の恋心の描写や、話の中での必然性はとても甘い。しかし、その良く描けないところに「恋愛」の本質が出ていて、この作品はとても「色気」がある。戦後、いや日本のミステリ史上に残すべき傑作です。
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  1. 2013/08/27(火) 23:34:02|
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